学校検診で側弯症といわれた人は、きっとびっくりして何をすればいいのか戸惑っていることでしょう。
どこの病院に行けばいいのか迷っていることと思います。
いま、最も大事なことは、本当に側弯症なのかということです。
まず、整形外科のある病院に行きましょう。
近くの整形外科クリニックや診療所でもかまいません。
そして、背骨のレントゲンを撮ってもらいましょう。
レントゲンでまっすぐなら、まず心配はいりません。
もし、背骨が曲がっていると言われたら、側弯症を治療したことのある医師にかかりましょう。
側弯症を治療したことのある医師については、次のホームページを開いてください。
https://www.sokuwan.jp/patient/docters_kinki.html
このホームページは、日本側彎症学会の会員が診察している医療機関の一覧です。
このページを初めに開くと近畿地方になっているので、自分の住所の都道府県を開いてみてください。
移動などがあり、リストの医師が必ずしも現在その病院にいるとは限りませんので、まず電話で確認し、予約を取りましょう。予約なしで行っても診てもらえないことがあります。
(以上はトッページを再掲載)
診察の結果はおそらく以下のどれかでしょう。
1)側弯症ではありませんと言われることもあります。
子供が緊張していたために、初めに撮ったレントゲンがたまたま曲がって写っていただけのこともあります。
この場合は心配いりません。
2)明らかに背骨が曲がっている場合は、その原因を究明することが大切です。
一口に側弯症といっても、細かく分類すると約100種類あります。
その原因によって治療方法が異なります。
ですから側弯症の治療は、まず診断が最も大切です。
ただ曲がっているから押したりもんだりして元に戻せばいいというものではありません。
側弯症のうち、約80%は特発性側弯症です。
ここからは、最も多い特発性側弯症についてのお話です。
特発性側弯症の治療は、曲がっている角度によって治療方法が変わってきます。
また、年齢や成熟度によっても治療方法が異なります。
詳しくは述べませんが、大まかには以下のようになります。
未成熟の場合
10度から25度----経過観察
25度以上----装具治療
45度以上----手術治療
成熟後の場合
30度以下----治療不要
45度以上----手術治療
これはあくまで非常に大雑把な分け方で、実際には、もっと多くの条件によって治療法が変わります。 すべてがこの通りに当てはまるわけではありません。
その一つが、成熟後で30度から45度の場合はどうするのかということがあります。
成熟後でも装具をする場合もあれば、弯曲の部位やバランスの悪さなどで手術をする場合もあります。
この治療の選択については、主治医とよく相談することが必要です。
さて、治療方法の一番初めに「未成熟で10度から25度は経過観察」と書きました。 このグループの子供たちの一般的な治療法は、経過観察が主流です。 では、なぜ装具治療をしないのでしょう。
多くの医師の答えは「装具治療は子供に負担が大きいので、弯曲が進行することがわかったら装具を作りましょう」というものです。
「子供の負担」とは何か? それは学校に着けていくことです。
子供にとって、装具を学校に着けていくことが、最も大きな負担なのです。
特に中学生になると、ほとんどの子供は、学校に装具をつけていくことを大変嫌がります。
精神的な負担は大人が考えている以上に大きいものです。
体育の時間の前後に着替えをすることや、夏の暑いときに装具をつけて学校に行くのは身体的にも大変です。
仲の良い友達が手伝ってくれる場合は、治療がうまくいくことが多いのですが、友人であっても必ずしも理解があるとは限りません。
このような理由で、角度の小さい初期の側弯症は、装具をつけず経過を見て悪くなったらつけるのです。しかし、もし寝るときだけつけるのであれば、子供の負担は大幅に減るのでは?
このようにして考案したのが、瀬本・永野式夜間装具(SNNB)です。
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